結束バンドというのをご存知でしょうか。
名前は知らなくても使っているのを見たり、実際に使っているかもしれません。家の中でも使うことがありますし、産業界でも使われています。複数のケーブルを束ねるのに使ったり、壁にケーブルを這わせる時にも使ったりします。結束バンドは細長く平たい棒のような形をしていて、片方の先端には四角いものが付いており、その真ん中には穴が開いています。もう片方の先端は少し折れ曲がっていて、先がやや尖っています。
それを先ほどの穴に通すと、平たい部分の片面に細かく刻まれたギザギザが、穴の中にある突起に引っかかり、入れることは出来ても抜くことが出来なくなります。こういった仕組みでしっかりとケーブルを束ねることが出来ます。使ってみるとわかると思いますが、とても丈夫で、ちょっとやそっとでは外れたりしません。そのため逆に外したい時には、ニッパー等の工具で結束バンドを切断しなければなりません。このような丈夫さがあるので、屋内でも屋外でも使える思いがちですが、実は一般的な結束バンドの材質は化学物質等に触れると劣化が早まることがあります。
屋内だと、一般家庭ではそういったものに触れることはないでしょうが、例えば工場等では薬品を使う環境があります。一方で屋外だと、例えば寒い地方では冬に凍結防止剤等を道に撒いたりしますが、そういったものに晒されると劣化が早まります。凍結防止剤には塩化カルシウム等が入っていますが、その化学物質も劣化を早める原因の一つです。凍結防止剤の他にも海水に晒されることでも劣化します。そのためそういう環境下で結束バンドを必要な時は、化学物質に強い、例えば耐塩化カルシウムといった特別な性質を持つタイプを使います。