暴風雪などの降雪時に心配なのが停電です。

電力会社の送電ケーブルは非常に頑丈に出来ていますから、降雪自体は直接のダメージにはならないのですが、雪や氷が付いた状態で送電線が強風にさらされると、電線が上下に振動してしまう「ギャロッピング」と呼ばれる現象が起こることがあります。このギャロッピング現象が起きると、電線同士が通常時よりも接近し、場合によっては接触することもあります。接触すると、当然のことながら送電線がショートして停電が発生してしまうこともありえます。

北海道など雪国にある電力会社では、こうしたギャロッピングへの対策として、雪や氷が付着しやすい地域にある送電線には特殊な「相間スペーサ」という設備を取り付けていることがあります。相間スペーサとは棒状の設備で、電線間の距離を保つことを目的としています。停電につながるような電線同士の接触を未然に防ぐための装置です。雪国の電力ケーブルの降雪対策は他にもあります。

雪、特に湿った雪は、ケーブルに付着した際に回転移動をして成長することがしばしばあります。また、降雪量によっては、雪が全体に付着した電線が重みでねじれやすくなってしまうこともあり、これがまた雪の回転成長を促進する要素となってしまいます。この結果、重みで垂れ下がった電線が他の電線や樹木などと接触し、これも停電を引き起こすことがあります。これを防ぐために設置されているのが、雪の回転成長を防止する「難着雪リング」と、電線をねじれにくくする「ねじれ防止ダンパー」です。難着雪リングは積もった雪を早めに落としてしまうことで、またねじれ防止タンパーは電線に重りをつけてねじれを防ぐことで、停電の軽減に一役買っています。

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